2022/04/26 18:24
店内に入るとずらりと並んだコーヒー豆。味や香りの説明を読んでもなんだか抽象的。苦みや酸味のゲージがあっても普通ってどの程度が普通なのか分からない。はじめて入ったお店で自分好みのコーヒーを探し当てるのは難しいです。店員さんにアドアイスを求めることも多いと思いますが、完全に店員さんにコントロールされると外れることが多いかも。少なくとも右か左かだけでも店員さんの顔を向けられれば好みのコーヒーに近づけると思います。
酸味を避けることばかりの偏った話になってしまいましたが、ここは本当に重要です。コーヒーの酸味以外の要素に関しては、ある程度突出していても美味しく飲めると思います。一方酸味は好みがはっきりです。
酸味のあるコーヒーのほとんどは豆を煎る時間の短い浅煎りコーヒーです。新鮮なコーヒーの酸味は劣化の酸味ではなくフルーツを想像させるさわやかなものです。コーヒーの美味しさを決める大きな要因のひとつなので是非味わってほしいのですが、苦手意識をもったままでは美味しく感じられないかもしれません。まずは馴染みの「カフェチェーンのスゲー美味しいやつ」を飲んで、コーヒー豆屋のコーヒーは美味しいと認識してから色々チャレンジすると楽しみの幅を広げやすいと思います。
カフェチェーン的な味わいに近いのはちょっと深煎りの豆です。シティローストというあたりまで焙煎が進むとあからさまな酸味はほぼ無くなります。良い豆を適切に焙煎されてさえいれば何を選んでも大丈夫。馴染みの味ながらも圧倒的な香りと味わいを感じられると思います。
もちろん今までのコーヒー概念にとらわれず、どんどんいろんな味わいや香りに挑戦したいという方は別です。商品のポップや店員さんの声に耳を傾け、様々な表現から香りや味わいを想像しながらコーヒーを選ぶのも楽しみの一つです。酸味のある浅煎りのコーヒーにはびっくりするほど華やかでフルーティーな香りのものもあります。素敵な出会いになるかもしれません。
安心の味でほっとしたいか、食べたことのないフルーツのようにちょっとサプライズを期待するか。はじめてコーヒー豆屋で豆を購入するときの道標になればと思いました。
※当店での表記
・ハイロースト(やや浅煎り、酸味があってスッキリ)
・シティロースト(やや深煎り、コクがあって飲みやすい)
・フルシティロースト(深煎り、深い苦みとコク)
カフェチェーン的な味わいはシティ~フルシティの深煎りです